令和6年度 要 望 書
〔要望事項〕
1 副校長の職務内容や処遇を改善するための施策の実現
(1) 講師・臨時的任用教員を適切に配置するための措置の改善
・教員の出産や育児休暇の取得、病気休暇・休職などによる欠員を補充するための「人材捜し」に副校長が、かなりの時間と労力を要し、業務を逼迫している。現状としては、TEPROに登録して臨時的任用教員の募集をしても応募がほとんどない状態である。また、そこに掲載してある登載者名簿を使って、平日は連絡がつかないため休日に学校に出勤して百件以上連絡しても、ほとんどの名簿登載者が任用済みで、徒労に終わっている。
臨時的任用教員からは、すでに任用されているのに1年間ずっと電話やメールでの問い合わせが続く状況に対して、かなり迷惑しているという訴えを聞いている。
このような状況を鑑み、より現実的なシステム開発の構築及び改修を早急に進めていただき、各学校での「人材捜し」の負担削減を図るよう要望する。
・何とか人材を捜し出して面談を行い、いざ採用者が決まったとしても、任用書類の作成や手続きが複雑で、副校長の業務を圧迫している。この書類作成や手続きについては、区市町村の教育委員会が主となって行い、最終決裁を学校で行うようなシステムになると負担の軽減につながるため改善を要望する。
(2)19学級以上の学校の副校長の複数配置
・教員の病気休職による欠員や、時間講師・臨時的任用教員の不足などの事由によって、副校長の本来の業務のほかに担任を兼務するケースが激増している。特別支援学級などを含めた19学級以上の学校では、副校長の複数配置を要望する。
(3)勤務管理(出勤簿・休暇申請書を含む校務・事務処理)のICT化
・多くの自治体で勤務管理(出退勤・休暇申請等)を含む校務・事務処理のICT化が進んでいる。しかしながら、区市町村によって進行度に差があり、区市町村をまたいでの進学・転学や教員の異動の際に、システムの違いによる情報伝達に支障が生じている。システムの一元化、または共有等の改善を求める。
出退勤管理については、電算管理ができるシステムが多くの地区で導入されている。しかし、現在も区市町村によっては出勤簿や休暇簿は紙媒体のままで、出退勤管理は副校長が中心となって処理をしている。出張等で打刻忘れがあった際には、副校長が修正をしたり修正指示をしたりするなど、二重の業務を行うようになっており、業務負担をかえって重くしている実態がある。
東京都で一元化し、電算処理システムを進めて、出勤簿や休暇簿を不要にしたり、区市町村教育委員会人事担当係が一括管理したりできるようなシステム導入に向け、予算措置を図っていただくよう求める。
(4)副校長補佐の全校配置
・副校長補佐が、全校配置の地区もあれば、区市町村の予算の関係で全校に配置されない地区もある。都としての全校配置対応を希望する。その際、教員経験者の登用なども考慮に入れていただきたい。
2 児童一人一人へのきめ細やかな教育活動を充実させるための施策の実現
(1)学校規模(学級数)による講師任用時数格差の是正
・校務分掌業務負担は学校規模に比例しない。小規模校は教員一人につき3つから4つの分掌業務を担当する現状がある。しかしながら、従前の制度では12学級以上の学校のみ、教務・生活指導主任軽減における講師任用が適用されている。
日々の児童への指導や授業を充実させていく観点からも、学校規模に関わらず、全校で講師時数配当の格差をなくすことを要望する。
また、都教育委員会が現在進めている新たな時数軽減事業は、校内研究や特色ある教育活動を担う教員について学級数に関わらず講師時数の配当がなされているために非常に有効である。そこで、更なる拡充や各学校の実態を鑑みた柔軟な配当も含め、この事業の全校実施を要望する。
(2)スクールロイヤーの全地区一定数の配置
・保護者や地域からの一方的な訴えや、無理な要望が増えている。その状況によっては、訴訟に発展するケースも少なくない。学校が未然防止に努める教育活動を進めることが求められているが、そうなった場合には、多大な労力と時間が掛かり、通常業務の逼迫と疲弊は避けられない。東京都がカスタマーハラスメント防止条例の導入を検討しているが、学校もその対象にしていただきたい。また、トラブルに対して迅速かつ適切に対応するために、スクールロイヤーの全地区一定数の配置を要望する。
3 教育環境条件を改善するための施策の実現
(1)メッセージ機能電話の全校配置
・メッセージ対応機能電話を設置している地区もあれば、その機能がなく毎日夜遅くまで電話の対応に追われている学校もある。また、朝7時過ぎから電話が掛かってくることもある。そのような状況の中、設置していない学校の対応策として、保護者に一定時刻(目安:午後6時前後)以降は電話対応しないことを周知しているが、効果がなく毎日のように電話が鳴り響いている実態がある。区市町村によって財源が確保できない地区もあるので、東京都が補助金制度などを創設し、全校にメッセージ機能電話の設置を要望する。
・昨年度から始まった教職員アウトリーチ型相談について、授業時間など勤務時間の中で30分の相談時間を確保しなければならず、初任者(メンティ)やメンターの負担も増加している。また、都のすべての学校が日程表をもとに調整を図る現在のシステムでは、調整に時間が掛かる。そこで、都SCの年間配置数を対象者一人に付き1時間増加させるだけで、空き時間や授業時間を割くことなく相談を行うことができるため、配当時間の増加を要望する。
(3)都内全校の給食室にエアコン設置の要望
・児童の健全な発育のためには食育の充実が欠かせない。そのためには、それを調理する職員の健康・安全が担保されることが前提である。数年前に、本会の要請をもとに、各会派に取り組んでいただき、区市町村でエアコン設置が積極的に進んだ。また、区市町村に対する都の支援を確認することができた。これらの動きによって、給食室にエアコンが設置された区市町村もあったが、現状としてはまだ設置されていない地区も数多くある。都の支援の拡大をお願いするとともに、全校の給食室のエアコン設置を進めていただきたい。